海からのメッセージ「素顔の海」
海の生き物たちは、全て自然が造り上げた見事な芸術品のようだ。
体一つで厳しい自然環境を健気に生き抜いてきたその力強さは神々しい。
とくに伊豆半島の海は火山の贈り物として海中ジオパークを感じ、
そこで暮す生物は地球誕生以来まっ先に命を授かったのではないかと思えるほど
不思議な造形や彩色に被われている物が多い。
普段、地上からは伺い知ることの出来ない彼らの日々の営みを少しでも知って頂き、
彼らと私達が共に生きる知恵の大切さを感じて頂ければとても嬉しい限りです。
彩色劇場
夜空に光る星の美しさは、私達の心に夢とロマンを感じさせてくれる。
星は水素ガスを燃やしながら窒素や酸素などの元素をつくり出すが、自らの死によって
それぞれの元素を宇宙にばらまく。この元素は宇宙に浮ぶネオンサインのような光を発して、
やがて新しい星を誕生させる材料になる。
青い宇宙と呼ばれる海も、想像もつかないほど色とりどりの生き物が暮している。
暖かい海でも冷めた海でも、生き物はみんな特徴のある色をまとっている。
そんなざまざまな色を、どのように生活環境にとり入れているのか、色別に分けて
そのパターンを配列してみた。
海はまさい色彩の魔術師があやつる「海中彩色劇場」である。環境悪化で、
舞台で踊る生物が少しづつ姿を消すようなことになると、この劇場の存亡になることを忘れてならない。